「神の励まし」 02.07.21
ハガイ1:1〜15、ヨハネ2:19〜21
私たちは、時に倒れて起き上がれないような事柄に直面することがあります。
そのような時に、家族や友人が自分の傍にいてくれるだけで大きな励ましに
なります。ましてや、天地をお造りになった全能の神さまが傍にいてくださると
本当に信じられるならば、それほど心強いことはありません。大きな幸いです。
預言者ハガイを通して、神さまはご自分のことを、倒れこんでいる者の傍に
立とうとされる神であることを私たちにもお示しになります。
その時、ユダヤの人々は不作、飢え、物不足、経済危機といった事態に直面し、
苦しんでいました。敗戦によって、国も荒れ果て、神殿も廃墟となっていました。
そんな中で必死で生きようとしました。廃墟の神殿を目にしながら、まず生活を
安定させようと苦労していたのです。もっと落ち着いたら神殿の再建に取り
組もうと考えたのでしょう。
しかし神さまは、自分たちだけで立ち上がれとおっしゃる神ではありません
でした。神さまは、「神殿を建てよ」とおっしゃいます。
これは倒れている人のための言葉です。
「神殿なしに、つまり神なしに事に向き合わなくてもよい。神殿を建てて私と
向き合う時と場を持ち、私が傍にいることを知り、そのことに励まされながら
立ち上がって行きなさい」ということです。
「あなたのところに行くから、神殿を建てなさい」という呼びかけです。
そこには、倒れている者のところへ行って、共に歩もうとされる神の決意が
込められています。
その時、神殿が廃墟となっていた原因は、人々の神に対する罪でした。
廃墟の神殿は、神に見捨てられた徴(あかし)でした。それなのに「神殿を建てよ」と
おっしゃいます。この言葉は、罪の赦しと憐れみなしには出てこない言葉です。
人々は、赦しと憐れみをもって歩み寄ろうとしてくださる神さまを知って、どんなに
うれしかったでしょうか。人々は喜び、奮い立ちました。
「あなたの傍に歩み寄ってくださる神を信じて生きなさい」との御言葉を与えられて
いるのです。